

バターをしっかりと立て、空気をたくさん抱き込ませてつくるクリームは口溶けが良く、軽く美味しいクリームを「バタームース」と定義してみようと思います。それは、泡のように軽く舌触りのよいバタークリームのことです。
空気をバターに抱き込ます工程は、まるでバターに命を吹き込むようです。そして、命を与えられたバターは、いきいきと新鮮なクリームをつくりだします。

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「バタークリームはまずい?」
確かに何十年前に売られていた、口溶けが悪く乳の香りのしないバタークリームのクリスマスケーキは美味しくありませんでした。それは、その頃のケーキにはバターが使われず、ショートニングなどの代用油脂が使われていたからです。なぜかその味のイメージがそのまま残って、バタークリームというと美味しくないクリーム、安ものクリームとお客様に受け取られてしまっています。本当のバタークリームは口溶け良く、豊かな風味が特徴のフランス菓子に代表的なクリームなのに。
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バタークリームのイメージは良くないはずなのに、マカロンやダックワーズ、レーズンサンドやパリ・ブレストなどバタークリームをサンドしたお菓子の人気は高く安定しています。
お客様は勘違いしているのです。
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洋菓子は日本人が好む軽くソフトな食感への流れから、しっとりとしたムースの菓子が人気を集め、ふんわりとした生地にしっとり口溶けの良い生クリームを使った菓子がよく売れます。専門店の独壇場だったこれらの生ケーキも、今ではコンビニの菓子として台頭してきました。これからは、洋菓子店の売り上げにとって伝家の宝刀であるはずの、ロールケーキやプリン、チーズケーキなどの売り上げに陰りが出てくるかもしれません。
そのためにも、またひとつ、次の商品開発が必要なのではないでしょうか。そして、商品開発のヒントは想像できないような新しいものではなく専門店の技術の延長線上にあるのではないでしょうか。

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お客様の間違った認識からバタークリームの人気が低いため、洋菓子店では生クリームを使ったケーキの製造販売が多く、バタークリームのケーキは圧倒的に少ないのではないでしょうか。そのため、バタークリームの実力は十分に発揮されていません。だからこそここに大きな可能性を持っていると言えます。
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卵白を使ったイタリアンメレンゲベースのバタークリームは、比較的日保ちがします。
この特徴をいかして、気候のよい時にはバンなどのように常温で販売ができますし、生地にバタークリームをサンドしたギフト菓子などの生クリームとは違う商品展開も考えられます。

パティシエの方々にお話をうかがうと、バタークリームをつくる時にバターに空気を抱き込ませる攪拌の工程があまいために、オーバーランが低く口溶けの悪いクリームとなるケースが多いようです。「バターに命を吹き込む。」これは、口溶け良く、軽い、そして豊かな風味を持つバタークリームをおつくりいただきたいと願う私どもの言葉です。
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